第一章
はじめてFXを触ったのは20代の頃だった。仕組みを理解するより先に、ボタンを押していた。利益が出ると興奮した。損失が出ると「取り返さなければ」と焦った。気づいたときには、生活費をかけてトレードしていた。
衝動的なエントリーをやめられなかった。画面を見るたびに「今が買い時かも」と思う。それが「ぽちぽち病」だった。刺激を求めてポジションを持つ。その快感のためにトレードしていた。これは投資でも投機でもなく、ギャンブルだった。
落ち込んで、トレードから10年離れた。あの頃のことを思い出したくなかった。
第二章
記録が、鏡になった。
ふとしたきっかけで、10年ぶりにトレードに向き合う気になった。でもまた同じだった。チャートを開いた瞬間、ぽちぽち病が戻ってきた。「またか」と思った。でも今度は違う問いを立てた。「どこでトレードしてはいけないのか」
この問いは重要だった。「どこで買えばいいか」ではなく「どこで買ってはいけないか」を徹底的に考えた。そして記録を残した。何時にエントリーしたか、どんな相場環境だったか、メンタルはどうだったか。ルールを守れたか、守れなかったか。
記録をつけると、自分の「負けパターン」がはっきりと見えてきた。夜中の薄い相場でエントリーしている。連敗後に取り返そうとしてロットを上げている。ルールを決めているのに、「今回は例外」と思っている。 記録がなければ、これらは永遠に「なんとなく」のままだった。
手で描くと、ローソク足の形が記憶に定着する。あのときのドル円はこういう形だった、あの下落はこういう動きだった——形として覚えることで、似た相場が来たときに直感が働く。
第三章
トレードは、始める前に決まっている。
記録を続けるうちに、もうひとつ気づいたことがある。成功したトレードのほとんどは、エントリーする前の状態がよかった。
第四章
だから、TRARECOを作った。
これが、TRARECOが生まれた理由だ。記録することで、自分のパターンが見える。パターンが見えれば、改善できる。トレード前に状態を整えることで、同じ失敗を繰り返さなくなる。